きのこ工場の包装員からエンジニア転職した女性。ICT支援員とは?

きのこ工場の包装員

── 今回は現在ICT支援員として活躍されている茉莉さんにお話を伺いました。簡単に自己紹介をお願いします!

茉莉さん
茉莉さん

はじめまして!私は現在、ICT支援員という仕事をしています。

ICT支援員とは何か簡単に説明すると、学校で先生や生徒にパソコンや電子機器(Chromebook、iPadなど)の使い方を教える仕事です!

友人に話すとすごいねー!と言われるのでちょっと嬉しかったりします。

今ではこのような仕事をしている私ですが、前職はきのこ工場で包装の仕事をしていました!

私の体験談がこれからIT業界を目指す方、IT業界に興味がある方のご参考になれば嬉しいです。

── はい、よろしくお願いします!

ICT支援員の仕事って難しいの?

学校で先生や生徒に教えるなんて難しそうと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はみなさんも日常的にしている

・インターネットで検索する

・わからないことを人に聞く

といった2つのことができれば、そう難しい仕事ではありません。聞かれるのは基本的な使い方についてが多く、わからないことは「お調べします」といって調べて答えれば大丈夫です。上司、サービスデスク、先輩、インターネットがあなたの味方になります。

しかし、専門的なことを聞かれることもあります。自発的に勉強していく力も必要になってきます。今日はWi-fiについて調べてみよう、新しく承認されたアプリを使ってみようなど、簡単なものから徐々に覚えていくとよいです。

ICT支援員になるまでの私

高校卒業後、ホテル業界へ

私は高校卒業後、ホテル受付の仕事に就職しました。

でも、私には向かなかったようで1年を過ぎた頃にうつ病になってしまって、休業・復職を経て最終的に2年半後に退職しました。

原因の一つは「パソコンが上手く使えないこと」でした。

実は学生時代からパソコンが苦手でしたが、仕事で使ううちに慣れていくだろうと簡単に考えていたところ全然上達しなかった・・・という感じです。

一度目の職業訓練校

このままではまずいと思って、職業訓練で初心者向けのコースを受講しました。

職業訓練校とは?

失業者が資格の取得やスキルを身に着け再就職できるように助ける、国や自治体が用意している制度。
学べる分野は表計算ソフト、Web開発、WebデザインなどPCスキルだけでも多岐に渡る。

職業訓練ではブラインドタッチを習得して、WordとExcelの3級の資格を取りました。

少し自信がついた私は事務系の仕事を探したのですが、社会人なら当たり前と言われるブラインドタッチができるようになったくらいでは現場では全く歯が立たず、いくつか職を転々としました。

最終的に通勤が楽という理由で近くのきのこ工場で包装の仕事をすることにしました。

IT業界に興味を持ったきっかけ

そんな私がIT業界に興味を持ったのはこんな理由です。

  • 工場勤めが向いていなかった
  • 将来が不安になった
  • 趣味から派生してパソコンの勉強をしてみたいと思った

工場仕事は体力が必要です。毎日2トンものきのこをカット、検品、箱詰めしなくてはなりませんでした。

周りは40代~70代が多く、特に力がいる仕事は20代の若い人(私)に回ってきます。

人間関係も最初は上手くいっていたのですが、徐々に上手くいかなくなり、孤立していました。

ある日正社員の方と入れ替えで同じ会社の別の工場に異動になったのですが、そこでは残業があるかと思えば3時間くらい早上がりすることもあり、とにかく不安定でした。当然お給料もです。

将来が不安でした。またいつ元の工場に戻されるかわかりませんし、元々体力がない方なので「10年後も続けられるかどうか」考えた時に難しいと思いました。

同じ作業を毎日毎日繰り返すのにも限界を感じていました。

趣味の歌うことがきっかけでパソコンに触れる

私の趣味は歌を歌うことなのですが、仕事の気晴らしに思い切って学生時代に憧れていた歌い手活動をやってみることにしました。

歌ってみた動画と呼ばれる、主にボカロ曲やアニソンをカバーした動画をYouTubeなどに投稿するものです。

最初は毎日わからないよ~!と言いながらパソコンと格闘していましたが、完成した時にはとっても嬉しかったです。

自分が楽しく、頑張って作ったものに感想を言ってもらえて、涙が出るくらい嬉しかったです。

苦労したので自分が学んだことをまとめるサイトを作ってみたりもして、そうするうちにもっとパソコンの勉強をしてみたいと思うようになりました。

二度目の職業訓練校

そして私はまたもや職業訓練を受けることにしました!

自分が受けたいコースがあるか調べ、それに合わせて退職する月を決めました。

働いていると、仕事が終わってから家で勉強をするなんて、なかなか難しいと思います。残業で時間が取れなくなったり、疲れてしまって予定通りのところまでできなかったりします。

(以前、占い師さんに勧められて行政書士の勉強をしましたが、こんな感じで挫折して試験も2回落ちて諦めました)

職業訓練はお金をもらいながら勉強して資格を取得できる上に、一緒に勉強する人が周りにいるので孤独感もなくていい手段です。

今度はWEB能力養成科という上級のコースを受講して、6ヶ月で5つの資格を取得しました。ほぼ1ヶ月に1回何かの試験を受けていたのでバタバタでした!!

ExcelとWordの2級、Webクリエイター技能評価試験、ITパスポートなどの資格を取りました。

中でもこの2つはプログラミングに関係する資格で、特に勉強が難しかったです!

  • Webクリエイター技能評価試験(メモ帳からwebサイトを作る試験)
  • ITパスポート(パソコンやWEBの知識、経営やマネジメントの話などとても幅広く聞かれる試験)

Webクリエイター技能評価試験の苦労したところは、Webサイトを作るために必要なHTMLとCSSという言語の習得です。

私を含めた訓練生全員が初めてだったので混乱しましたが、講師の先生が教科書に載っていない基礎の部分を調べて説明してくださったので、なんとか理解ができました。

一人だったら間違いなく挫折していたと思います。

── 一緒に勉強する仲間がいるのは心強いですよね。

ITパスポートで苦労したところは本当に出題範囲が広く、一つの参考書だけでは理解ができなかったり内容が足りていなかったりするところです。

訓練校で指定の教科書とは別に自分で参考書を購入して勉強しました。

また、シラバスという「この単語に関係する内容が出題されますよ~」というのをまとめたものがあるのですが、私が受ける時がちょうどこのシラバスが変更されて最初の試験だったので、対応している参考書も少なかったです。

IT業界は変化が早いですが、このシラバスも先生が受けた時より内容が広く深くなっていると言っていたので、取得するなら早めが良さそうです。

勉強法に関しては、先生から覚えるためにはアウトプットをたくさんするとよいと聞いたので、私は単語カードを買って問題文を自作して解いたりノートにまとめたり家族に話したりしていまいた。

あまりにも範囲が広すぎて途中からは作った問題を解く時間もなかったですが、出題が多い分野は単語カードが役に立ちました。

あと、結構ギリギリまで参考書を読んでいました!

IT業界への就活スタート。ICT支援員という職業と出逢う

いよいよ就活に入って思ったことは「なかなか良い求人が見つからない」ことです。

また、調べるうちにこのようなことがわかりました。

  • 動画編集やillustrator(図や絵、ロゴを作るソフト)などができると、もっと活躍の場が広がる
  • プログラマーになるならもっと他の言語も複数覚える必要がある。
  • 求人は都市部に集中しているため、田舎だと探しづらいところがある

私の条件は通勤が長くて15分くらい、パソコンを使った仕事、受付などの常に不特定多数の人に会う仕事は避けることです。

この条件に合うものなら何でもよかったので、ハローワークの求人だけではなく、indeedなどのネットの求人もめちゃくちゃ探しました

結果、住んでいる市内でICT支援員が募集されていて、良さそうだと感じて応募したところ、採用されました!

ICT支援員の業務開始。IT業界に居るということで得られる将来への安心感

3日間の研修の後、5日間のOJTがあり、初めてのICT支援員の仕事が始まりました。

最初はとても不安でした。ICT支援員は基本的に一人で学校に訪問するため、困った時に頼れるのは業務用に渡されたスマホとパソコンだけです。

ただ、運が良いことに先輩が気がけて連絡をくれたり、上司も電話にほぼすぐ出てくれたりして、わからないことを詳しく教えてくれました。

何でも気軽に話せるような雰囲気の良い人達に恵まれ、先生方もとてもよくしてくださったので安心して仕事をすることができました。

とはいえ、みなさんが1番気になるのは生活面と収入面だと思います。

私の場合はこのような感じです!

前職(きのこ工場の包装員)

月21日程度の勤務。日曜とその週のどこか1日が休み。残業あり。

労働時間は8時間。休憩90分。

現職(ICT支援員)

月18日程度の勤務。土日祝日が休み。残業なし。

労働時間は7.5時間。休憩60分。

まず、生活面では前職に比べて休日が増えました。私の契約内容では残業がないので早く家に帰ることができ、家族との時間や趣味の時間を増やすことができました。

次に、勤務時間と拘束時間も減りました。それによって心の余裕が生まれました。

最後に収入面ですが、月に入ってくるお金は前職とほとんど変わりませんでした。

ボーナスが無くなったので、年収で考えると減ったと言えます。

しかし、私にとってはボーナスがなくなっても十分にお釣りがくるくらいのメリットです。

お給料そのままで、月に働く時間を25時間削減できるんですよ?しかも仕事でめちゃくちゃ感謝されて、これからさらに加速するであろうIT業界に強くなれます!

毎日違うことが起きて、人生で初めて「仕事が楽しい」と感じることができたんです。思い切って挑戦してよかったと思います。

── 思い切って挑戦したことで前職で抱えていた将来への不安などが解消されたのですね!

これからIT業界を目指す方へのアドバイス

── 最後に、これからIT業界を目指す方やICT支援員に興味がある方へアドバイスをお願いします!

結論として、IT業界未経験でも少しずつ勉強していけば大丈夫です!!

転職を通して感じたことは「やってみたい」「楽しそう」「面白そう」「知りたい」という気持ちを少しでも感じるなら思い切ってやってみたほうがいいということです。

人生は長いですが、健康でいられる時間はどれくらい残されているか分かりません。できるうちにやっておくことが大切だと思います。

また、過去の私のように元々苦手意識があったり、一人で学習し続けるのが苦手だったり、集中して勉強する期間が欲しいという方は職業訓練がおすすめです!

お金をもらいながら資格取得に向けて勉強できますし、授業料もかかりません(教科書代、交通費、昼食代、検定代などはかかります)。就活のサポートもしてくれます。

興味があるなら思い切ってやることをおすすめします!

もし失敗してもパソコンやWebの勉強をしたことは無駄にはなりません。専門家でなくともちょっとした不具合に対処ができるようになっておくと重宝します。

ぜひ挑戦してみてください!

── 貴重なICT支援員さんの現場の声を聞くことができました。ありがとうございました!